2012/09/16

【ゴキブリと共存共栄】便利屋さんのお仕事内容や収入、教えます!

ゴキブリと共存共栄

「風俗のおねえちゃんの寮に突入や」
「フーゾクのオネーチャンのリョウにトツニュウ?」
「そや、風俗のおねえちゃんの寮に突入や、行くか?長塚はん」
「行きます行きます。死んでも行きます!トツニューーー!」
フーゾクと言う言葉もさることながら、トツニュウと言う言葉が僕の下半身をそそった。

「よっしゃ、それでこそ男や」
「ところで仕事は何ですか?」
「ゴキブリ駆除や」
「いやです。死んでも行きません」
「あかん、もう遅い、男に二言はない」

フーゾクのオネーチャンのリョウの前にトラックを止めて、便利屋の大将は何やら怪しげな道具を降ろしはじめる。
「これがガスマスク。これが噴霧器」
どちらも旧日本軍が使っていた様な年代ものだ。
「ええか、今から手順を言うで」
「はいはい」
「このガスマスクはワシが着ける」
「はいはい、えーーーっ、それはずるい」
「まあ、よう聞け。噴霧器やら何やらでワシは両手がふさがってしまう」
「はいはい、ボロくて重そうですしね」
「まず、長塚はん、あんたがこの鍵でドアを開ける。部屋は20ある。鍵も20ある」
「はいはい、部屋が20個あれば鍵も20個は当たり前」
「あんたが鍵を開けるとワシが中に突入して、これ(噴霧器)でドバッと超強力殺虫剤をまく」
「超強力殺虫剤!」
「ワシがまき終えたら、あんたはドアを閉めて鍵をかける」
「はいはい、僕は鍵を開けて閉める」
「そや、ただし、そのあいだは息を吸うたらあかん」
「息を吸ったら?」
「確実に死ぬ!」
「カ・ク・・ジ・ツ・ニ・シ・ヌ…………」

そして作業が始まった。
まず、僕は外に出る。
空気を吸えるだけ吸う。
一番手前、101号の鍵を手に握る。
そして、息を止めて猛スピードで101号へダッシュ!
鍵を開け、ドアを蹴る。
待ち構えていたガスマスクを着けた大将が突入し、ドバッと超強力殺虫剤をまく。
大将が振り向いてOKサインを出す。
大急ぎでドアを閉め鍵をかけ、外に走る。
「はあはあ」
僕はまだ生きている。
空気がこれほど美味しいと思ったことはない。
1部屋目終了。

まあ、これ位ならなんとか行けるだろう。
が、ここでハタと気が付いた。
101号室は近いが、120号室は遠い!

案の上、中盤からはかなり厳しい闘いになってきた。
しかし、何とか最後の一部屋。

ここで思わぬ事件が起きた。
最後の120号の鍵を閉めドアを閉じた途端
「バタッ」
と大将が倒れたのだ。

「あかん、マスクの隙間から毒が入った」
「やばい、大将、早く逃げましょう」
「いいや、ここでさよならや……短い付き合いやったけどワシはあんたと、ぐぐぐぐ」


「死ぬな大将、さあ、僕につかまって!」










あっ、僕も息を吸ってしまった!





…………………………………………

「もう、人を驚かすのもいい加減にしてくださいよ」
「あははは、あんたがあんまり真剣な顔して走り回るので、せっかくやから何か芸したろ思てな」


d2a8c8fefdf9253a0b660db702add947.jpg

帰りのトラックで大将は上機嫌で笑う。
「そもそもトツニュウと言う言葉から怪しかったんだ」
「ウソつけ、突入言うた途端、あんた興奮状態やったやないか。そやけど、薄めとる言うてもやっぱりあんまり吸うと体には悪いからな、そやから死ぬ言うたら、なまけもんのあんたも必死で働くやろ」
まあ、確かにそれは言えている。
「ほんとはもっとキツイんですか、あの薬」
「ああ、原液やったら、ほんまに危険やで。そやけど、そんなんまいたら当分、部屋に人間は住まれへん」
「ゴキブリは?」
「まあ、今日の薄め具合やったら半分おだぶつ位やろな」
「残りは?」
「そやから、リピートがあるんや。まあ、ワシらはゴキブリと共存共栄の仲やと言うこっちゃ」
「ゴキブリと共存共栄かあ」
「長塚はん」
「はい」
「ビールでも飲みに行くか」
「いいですね」
「来月もあることやし」
「ぜーーっーたいに死んでもイヤです」


<おまけ>
今思うと、フーゾクのオネーチャンの部屋はどんなだろうかとワクワクしたのだが、
まったく記憶がない!



これまでの「便利屋さんのお仕事あれやこれや」はこちらから←





絵本版はこちらから!





<地域の便利屋さんグループ>
●神戸の便利屋333
●愛知の便利屋138
●大阪の便利屋8787
●福岡(博多)・北九州の便利屋616